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2010年11月10日水曜日

フィリピンの大学留学の利点と欠点


 
フィリピンの大学留学の利点と欠点ですが、セブのサンカルロス大学に籍を置いている私の個人的な意見となってます。


フィリピン大学留学の利点といえば?


1.異文化を知ることで日本をもっと知る

日本にずっといると意外と日本について知らなかったってことがある。外人から日本史や政治、宗教、経済、文化、産業、テクノロジーなど多くの質問をされます。そうすると調べるから、学べる。そして今まで知らなかった日本を知ることができるし、客観的に日本を見つめることできる。それはフィリピンや他の国と自分の国と比較できるからなんだろう。他の国を知るってことは、日本を知ることができる。

2.英語漬けの毎日

フィリピンでは英語が公用語。大学の授業では講義、プレゼン、レポートなどは基本的に英語で行われます。どうしたって英語しゃべらなきゃ落第するし、誰も助けてくれないから嫌でも英語を話すようになる。英語漬けの割合は、短期の語学留学の比じゃない。英語の文献を死ぬほど読まされ、英語でプレゼンさせられて、レポートも英語で何枚も書かなければいけないのです。

3.開発途上国フィリピンで学ぶ

開発途上国には政治、インフラ、教育、経済、雇用、宗教対立などさまざまな問題を抱えている。日本で当たり前に整えられた環境は、フィリピンにはない。開発学を学ぶにあたって、すぐそこに現場があるというのは論文や理論で学ぶ欧米型に比べて、実践的で経験的です。学生のうちにフィールドワークの経験もつむことができる。

4.費用が欧米留学に比べて安い。

東南アジアと先進国の経済格差のおかげで、先進国への私費留学と比べて授業料、生活費を抑えることができる。

5.フィリピン人の性格は大らかで暖かい

セブの気温は一年中暖かいから過ごしやすいので、Tシャツ一枚でいいんです。それくらいの気楽さ。そしてなんといってもフィリピン人は豊かなんです。日本人がよく勘違いするのが、お金やモノの豊かさのある/なしでフィリピンは貧しいとか、不幸せだとか決めてしまうことがあります。心が豊かで健康的。セブでは、困っている人がいたらみんなで助け合うし、お年寄りには親切です。フィリピン人のホスピタビリティは世界一と言われていますが、看護士が多いのもそういう理由なのかもしれません。腕がない人とか、足が棒のように細い人が周りにいっぱいいる環境だから、そういう人たちがマイノリティにならないから、差別されにくい環境にあるかもしれない。子供のころから、外で遊んで、いろんなグループの友人と出会ったり、競争し、経験することで、集団における自己主張がある子供が多い傾向にあります。そしてコミュニケーションのとりかたやユーモアがある話かたができるのが、うまいなあっていつも関心します。それははっきり日本とは違う点であります。

6.USC(大学)の利点

セブでは数十の大学があるけど、大学教育レベルはマニラについでトップクラスといわれてる。他にもUP(フィリピン大学)とかCNU(セブノーマル大学)とかあるけども、USCはセブでは総合的に高い評価。USCの社会学・人類学部には政府やNGOや研究者とのネットワークがあり、注意したいのは、フィリピンの大学の中には教授を買収して単位をもらえたり名誉博士の称号を出したりと有名なインチキ大学の噂もあります。学生の中にはものすごい秀才もいて、卒業してすぐに教授になった。

7.大学の雰囲気

個人的な意見だけど、学生は活気がある。優秀な学生も多いし、大学にほとんどこない、もしくは経済的な理由で休学する学生も多い。たまに学生のデモがある。人類学の専門学科では、レクチャー、プレゼン、レポートや論文とフィールドワーク、そして4回行われる試験といった授業が行われる。日本人にたいしては差別は特になくて、好意的な人が多い。特に教授関係は。学生数が多いのでソーシャルネットワークを作るのには適した場所。さらにはコンフェレンスやフォーラムといった参加するイベントが多い。

8.教授と大学院

大学院は土曜に授業があって、専門的に学べるから院に進む学生も多くいる。特に女性が院に進むのが多いようです。博士号を持つ教授、アリゾナやオランダからも教授が来て教えています。国内からだと、フィリピン大学からもフォーラムに教授がきます。

9.USCの留学生の多さ

他校のセブ・ドクターズも多いけど、USCにはケニア、韓国からの留学生が多く、欧米国籍をもつ留学生もいる。ちなみにUSCの社会学・人類学部はドイツ・スウェーデン・アイルランド系・アメリカ・日本・韓国からの留学生が在籍。全学生は2万人程度。留学生は約100名前後と言われている。違う文化の交換やいろいろな国籍の学生が多くて学ぶことが多い。


では逆にフィリピンの大学留学の欠点はどういったことだろう?


1.教育水準と大学のレベル

フィリピンの大学は世界的には総じて高いほうではない。フィリピンの教育システムは6・4・4システム。日本は6・3・3・4。フィリピンには中学がない。小学校から高校へ進む。つまり16歳から大学入れる。卒業は学部によるが、一般的に20歳で卒業。これではレベルが高くなくてもおかしくはない。義務教育の期間延長の議論が政治家によって話されているところだ。ランキングで言えば、東南アジアで言えば、シンガポールの教育のほうが全体的に優れているといえるかもしれない。しかし2012年からはカリキュラムが変更され、世界と同じ標準化されるようだ。

フィリピン国内のレベルはどうだろう?マニラとセブの大学のレベルには差がある。マニラはセブに比べ全体的に高い教育水準を誇る。国立フィリピン大学、アテネオ大、デ・ラサール大、サント・トーマス大などの私立大学はセブに比べ出版、文献数大学内の設備、教育水準はセブに比べ高いといえる。

しかし単純に大学を比べて、レベルを測るのは難しい。これは日本の大学と同じで、学部によってレベルが違うため。

さらに言えば、結局大学は欧米のテキストを使っているわけだし、そして欧米のような最先端の研究設備やインスティテューションがあるわけでもないのです。


2.英語が公用語であっても、日常会話はセブ語です。

フィリピンには170以上の言語があり、タガログ語と英語は公用語である。そしてエリアごと、民族ごとによって言葉が違う。例えばセブではセブ語が話され、マニラでは主にタガログ語などを話す。

セブは英語が公用語だから、英語を浴びるように聞いたり話したりできるのかといえば、実は日常会話はセブ語で話していることが多い。これは意外に知られていないですが、セブ人の日常会話はセブ語を話す。

当然ESL(英語学校)は学生は英語を勉強しに来ているので、チューターは英語をしゃべります。学校内は英語以外は禁止というルールがある学校もあります。ただし学校が終わってしまえば、チューターはセブ語を話します。

大学は少し違います。実際の授業は英語とセブ語を交えてレクチャーが行われます。逆に英語しか話さない教授もいます。経験から言って、教授の30%が授業中はすべて英語、60%が英語とセブ語を交えて、残り10%がほとんどセブ語といったところ。

セブでは小学校、高校、大学と英語で主に授業が行われます。だから彼らは英語が話せる。さらに映画は字幕ないし、教科書は英語で書かれているから読み・書き・話すことができる。

それと社会的に裕福な家庭は、英語が得意な人が多い傾向にあり、貧困層は不得意な人が多い傾向にある。これは単純に教育の機会が均等じゃないことに由来します。国の識字率を見ると93.4%となっているが、いまだに数百万人が読み書きが出ないといった異論もある。英語のレベルには個人差があります。

セブで生活する上ではどうだろうか?タクシードライバーやレストラン、観光やホテル業なんかは基本は英語。仕事上、外人と話す機会が多いので当然です。

英語漬けだと思って張り切ってると少しがっかりすることがあるかもしれません。

3.生活と治安の問題

生活面は日本に比べて不便に思うことは多い。生活費を見てみれば、日本に比べて安く生活できる。ただししかし生活費がいくら安いっていっても、日本と同じような生活水準をすれば、大して変わんなくなる。安いっていうのは現地の人と同じような生活をするって意味で、こっちには高級な服や高級な食事や高級コンドミニアムだってそろっています。結局、使い方次第。

時間に関しては、セブにはセブの生活ペースというものがある。スーパーのレジや大学のコピー機に人が行列をつくるのもめずらしくない光景。日本と比べると不便なことが多くストレスが溜まるかもしれません。

セブの治安はフィリピンの中では比較的いいといわれる。しかしここ数年に限って悪くなってきています。公共バスにはひったくり、路上には強盗がでる。ダウンタウンには物乞いやストリートチルドレンがいる。これは貧困が原因で起こる社会問題。自動車やバイク事故などは多い。それでもマニラに比べれば、治安はいいほうである。外国人旅行者や在住者だけではなく、フィリピン人も被害にあうのです。

真夜中や早朝の外出を控える。身なりに気をつける。人通りのないところでは気をつける。治安の悪い場所の情報収集をしっかりしたい。カネ、酒、女(男)関係の周りには必ずトラブルがある。そんな基本的なことに気をつけていれば、事件に巻き込まれることは少ないです。世界を見渡しても、フィリピンに限らず、悪人はどこでもいます。

こういったことも含めて開発新興国で生活するということはどういうことなのか理解することが重要です。

4.セブの学校の傍にビーチなんてない

広告にだまされるかもしれないけど、セブで綺麗な海をみながら英語を勉強…そんなのは幻想です。日本で言われるセブ島は、マクタン島をさすことが多いです。マクタンはたしかにリゾートホテルが多くあって、数件の英語学校があるので、海を見ながら勉強できますが、大部分の大学・高校などの教育機関や英語学校(ESL)はマクタン島から離れたセブ市内にあります。マクタン島から橋を渡って車で30分ほどいくとあるセブ市内は、意外に思うかもしれませんが、都市化されています。都市化といっても便利な交通網が整備されてるわけでもなく、緑があって公団があるわけでもない。大手デベロッパーや政治家や市長が一丸となって、開発をどんどんしているおかげで、交通渋滞があって、排気ガスによる公害があって、高級住宅やコンドミニアムや大型ショッピングモールがバンバン建設されて、影では貧困層がトタンでできた狭い家で折り重なってダウンタウンに住んでいるというのがセブ市です。事前に学校の場所はどこか確認したほうがいいでしょう。クラブやショッピングモールやレストランもセブ市内に集中しています。


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